秣(まぐさ)の繰り言

もう70歳を過ぎた男の繰り言です。

古稀の同期会(高校)

俺を含めて、みんな「変わりすぎ~!」

中学の同期会が10月25日にあって、それから9日後、11月3日に今度は高校の同期会があった。この同期会、最初は出席するかどうか迷った。と言うのも高校の同期会は、今まで1度も出席したことがなかったし、今さら出席してもと言う思いもあった。卒業してから50数年。前回の同期会は10年前、還暦の歳。その時も、ひょっとしたら仲間だった奴と会えるかもしれないなどと思って迷ったが、背骨の圧迫骨折等を患い仕事も忙しくなって結局諦めた。                                  その前はいつあったのか?分からない。分からないけど、出席はしていない。何しろ忙しかったし、会社、仕事関係以外の飲み会なんてほとんど参加していないと思う。

まぁ、同窓会の方は毎年のように案内状が来るが、1度も参加したことはない。

ただ、今回は「古稀」になったし、仕事も辞めて時間的に余裕もあるし、長年無沙汰している友人に会えるかもしれないし、そして何より、もしかしてこれが会える最後のチャンスかもしれないし。と言うことで参加することに!うーん、誰も俺のこと分からなかったら、どうしよう!

案内状に会場は繁華街からちょっと外れた老舗のホテル、受付は15時から、開宴は16時からとあったので、15時半ごろ着くように家を出た。実際着いたのは半を少し回った頃。受付、会場は3階と言うことでエレベーターに乗る。降りると目の前に多くの、俺と同じような歳の男女が屯していた。勿論、全く知らない人たちばかり!

奥の方に受付があり、人をかき分けてその方向に進む。受付している人に名前を告げる。

「何組ですか?」と尋ねられたので、「9組」と答える。「え~と9組?無いな!名前~」えー!無い?困ったぁ~!

実は事前に参加申込書を送る際、何組だか書く欄があったのだが、俺は何組だったか覚えてなく、思い出しも出来ず、たぶん案内状送ってくれた人が同じ組の委員長だろうと思い、その組の番号を書いて送った。確かに、その人の名前に全く覚えがないのだが、まあ何組かも忘れてしまうような俺だから、委員長の名も忘れたのだろうくらいにしか思ってなかった。

さて、困った!どうしよう!「あっ!いや、彼こっち!8組!」                         と言う声が聞こえる。振り向くと、なにかどこかで見た顔。「いや~!久しぶり!」そう、彼は俺のクラスの委員長だった奴!名前は覚えていないが。

彼は受付に8組の名簿を見せ、受付はその名簿にチェックを入れて、スケジュール表をくれた。うん?芸妓の舞?何これ?

委員長と別れて、先に会場に入る。8組と表示のあるテーブルを見つけ席に着く。先客が1人。うん?知らねー!誰?この人!

相手もたぶんそう思ったと思う。互いに挨拶、自己紹介。「えー!嘘!いや~!お前変わったなぁ~!」と相手が驚いたように叫ぶ。え?知っているの?俺のこと!                    うーん、すいません俺は全然覚えてない!適当に話を合わせ、他のテーブルを見渡す。その間にも次々と同期生らしき人たちが会場に入って来て他のテーブルも席が埋まっていく。俺達のテーブルにも1人、2人と席に着く人がいて、挨拶する。俺の名前を言うと、そのうちの1人がスマホを取り出し「あ~あ!いたいた!これだろう?お前!」とスマホの画面を指差し、俺に見せた。その画面には高校の卒業写真が写し出されていた。卒業写真をデータ化してスマホに取り入れたそうである。へー!

「痩せたなぁ~、お前!」ふん、同級生だから許せるけど、お前呼ばわりは失礼だろう!太っていたよ、高校の時は、悪かったな!と思いながら、俺もいつしかお前呼ばわりしていた。まぁ、いいよな、同級生だし。

時間がたち開宴間近になって、また1人俺達のテーブルに来た。「よう!久しぶり」と俺以外の人たちが挨拶をかわす。その人も俺の方を見て、黙って頭を下げるだけ。ところが彼等の会話を聞いていると何やら俺のよく知る人の名前で呼んでいる。まさか?今来た奴って、あいつ?高校時代、割りとよく笑い合い、語り合っていたあいつ?嘘だろう!俺どころじゃあない!あいつ、スゲー変わったじゃん!

同級生最後の1人が席に着いた時、もう慣れた。50数年の月日は長い!最後の奴は見たことがあると思ったが、まさか高校の時の友人とは思わなかった。うーん、俺も変わったかも知れないが、皆んな変わりすぎ!

例によって例の如く、「嘘つけ!まさか、うわー!お前かよー!」と言う叫びが俺に向けて、響く。俺が皆んなに思う以上に皆んなが俺のことを「変わりすぎ」と思ったようだ。

開宴の時間となり、代表の挨拶、亡くなられた方の数、出席者の数などの発表、校歌斉唱(やはり高校でもあるか、校歌覚えてないんだけど)等々予定通りスケジュールがこなされていく。そして特別に「我が町の古き良き文化の存続」を推奨しているそうで、芸妓の舞の披露と続く。その後、乾杯!やっと酒が飲めて、アンコールの助けを借りて話かける。途中で他のクラスの仲間を見つけて、そちらの席に行き、また乾杯!俺達のテーブルで最初に会った奴も、名前の名字をもう高校の時から間違えて呼んでいたので、正しい名字て挨拶されても分からなかった訳だ!「えー!お前、だいさかと言うんかい?わー、間違えて呼んでいたかい?高校時代!」いや、でも普通、大坂って「おおさか」と言うだろう?「だいさか」なんて思わないよなぁ~!はは、高校時代から間違えていた。

最初は全然覚えてなかったり、分からなかったりでちょっと戸惑ったが、飲んで酔い思い出を話し合い、近状を語り合ったりしていく内、懐かしい昔のことが次から次へと頭の中に浮かんできて本当に楽しかった。

次の同期会ってあるのかな?何時やるか、まだ決まってもないだろうし、そもそも、開催するかも決まってないだろう。でも、もし開催されるのなら、また出席してもいいかな。と思った。