秣(まぐさ)の繰り言

もう70歳を過ぎた男の繰り言です。

俺70歳、妻65歳。夫婦で初めての大阪旅行 No.9

3日目、今日は帰る日。でも台風は?

何やらコトゴト音が聞こえて目が覚めた。陽はとっくに昇っており、妻がベッドの脇で荷物を片付けていた。そう今日は3日目、帰る日。                  時計を見るとまだ6時半を少し過ぎたばかり。とは言え昨晩確認してあるように、帰りの飛行機は関空発12:05のpeach。遅くても30分前には搭乗ゲートに来るようにとあるし、お土産も関空で買うつもりなので、だいたい約1時間近く前には関空に着かないと。尚且つ南海線で行くとなると、なんば駅から約1時間かかる。ここからなんば駅まで地下鉄堺筋線日本橋駅、そこから歩いて行くこととして約30分。となると、少なくても9時半にはホテルをチェックアウトして空港に向かわないと。朝、のんびり帰り支度している余裕は無い。まぁ、朝食はこのホテルでとることにしているので慌てる必要はないが、食事のあいだはゆっくりとしたいので早めにラウンジに行くこととする。

このホテルの朝食はビュッフェ形式。女性は、このビュッフェ形式って好きだよね。って言うかうちの妻だけかもしれないが朝食、普段は俺の半分も食べないくせに、こういう時に限って俺と同じくらい食べる。しかも、その後スイーツを1皿2皿持ってくる。流石に最後、2、3個食べられなくなり俺に回してくる。俺だって腹いっぱいなのに。

部屋に戻ってラウンジから紙コップに入れて持ってきたコーヒーを飲み、テレビをつける。天気予報確認。妻は片付け物をスーツケースに入れながらテレビを見る。さて台風は?数日前から予報では今日の昼頃、大型台風が日本に最接近すると言う。で、確認してみると予報通り12:00頃は、名古屋の東の海上沖にあり、東海地方が強風域に入るとのこと。妻が心配する。俺はpeachの運行情報を調べる。運休になってない。                  「危なければ飛ばないだろう。」と俺。今回は名古屋の近くを飛ぶルートで、しかも一番台風の近づく時間帯!心配は心配!

予定よりちょっと早くホテルをチェックアウト。地下鉄堺筋線も3日目となるともう慣れたもの。日本橋駅も何回目かな?南海本線なんば駅は初めてなので、ちょっと道に迷ったが無事に着いた。関空直通の電車に乗ったら後は車窓から大阪の街並みを眺めて、名残を惜しむだけ。大都会と言えども中心部をちょっと離れたら、我らが田舎の地方都市とそう違いは無いじゃあないか!と強がりを言う。そう、そう違いは無い、中心部さえ見なければ!

関空には早めに着いた。運行状況を電子掲示板で確認。運休にはなっていない!中には運休になっていたり、遅延になっている便もあるみたいだが。

土産を買って、時間よりだいぶ早く搭乗ゲート前に着く。この分だと定刻通りに飛行機が出そうだ。台風は今どの辺かな?

搭乗時間になり、飛行機に乗り込む。席に着いて出発を待つ。ここまで特別何もなく乗客達も整然と席に着いている。

しばらくして飛行機が動き出す。ある程度まで行って急に、ゴーという凄まじい音と共にスピードが上がり飛び立つ。その時になって機内に、機長の定例の挨拶が流れる。その最後、「本日は台風のため揺れるかも知れませんが、飛行には何の支障もありませんので、ご安心ください。」とアナウンスされた。本当かいな?

ところが、なんと全然揺れない!へー!                       機内では何度も「揺れるかも知れません」とアナウンスされていたが、全くピクリともしない。来る時、何も無くても物凄く揺れたのに!「雲の上を飛んでいるから全然台風の影響無いのか?」なんて冗談を妻に言っていたら、そのとたんガクッと凄い揺れ!勿論、そんな音がしたわけではないが、その擬音が聞こえるような!機内もざわついている。妻の顔が青ざめている。だが直ぐに落ち着いて、飛行機も何もなかったように飛行を続けた。結局、ひどく揺れたのはその1回だけで、後は平穏な空の旅だった。ただ、無事に飛行場に着いた時、妻が一言。「もう飛行機には、絶対に乗らない!」

まぁそう言っても、また乗ると思うけど。

だって楽しかったから。たとえ色々、突っ込みどころはある旅だったとしても。

また行きたいなぁ、大阪。