秣(まぐさ)の繰り言

もう70歳を過ぎた男の繰り言です。

俺70歳、妻65歳。夫婦で初めての大阪旅行 No.9

3日目、今日は帰る日。でも台風は?

何やらコトゴト音が聞こえて目が覚めた。陽はとっくに昇っており、妻がベッドの脇で荷物を片付けていた。そう今日は3日目、帰る日。                  時計を見るとまだ6時半を少し過ぎたばかり。とは言え昨晩確認してあるように、帰りの飛行機は関空発12:05のpeach。遅くても30分前には搭乗ゲートに来るようにとあるし、お土産も関空で買うつもりなので、だいたい約1時間近く前には関空に着かないと。尚且つ南海線で行くとなると、なんば駅から約1時間かかる。ここからなんば駅まで地下鉄堺筋線日本橋駅、そこから歩いて行くこととして約30分。となると、少なくても9時半にはホテルをチェックアウトして空港に向かわないと。朝、のんびり帰り支度している余裕は無い。まぁ、朝食はこのホテルでとることにしているので慌てる必要はないが、食事のあいだはゆっくりとしたいので早めにラウンジに行くこととする。

このホテルの朝食はビュッフェ形式。女性は、このビュッフェ形式って好きだよね。って言うかうちの妻だけかもしれないが朝食、普段は俺の半分も食べないくせに、こういう時に限って俺と同じくらい食べる。しかも、その後スイーツを1皿2皿持ってくる。流石に最後、2、3個食べられなくなり俺に回してくる。俺だって腹いっぱいなのに。

部屋に戻ってラウンジから紙コップに入れて持ってきたコーヒーを飲み、テレビをつける。天気予報確認。妻は片付け物をスーツケースに入れながらテレビを見る。さて台風は?数日前から予報では今日の昼頃、大型台風が日本に最接近すると言う。で、確認してみると予報通り12:00頃は、名古屋の東の海上沖にあり、東海地方が強風域に入るとのこと。妻が心配する。俺はpeachの運行情報を調べる。運休になってない。                  「危なければ飛ばないだろう。」と俺。今回は名古屋の近くを飛ぶルートで、しかも一番台風の近づく時間帯!心配は心配!

予定よりちょっと早くホテルをチェックアウト。地下鉄堺筋線も3日目となるともう慣れたもの。日本橋駅も何回目かな?南海本線なんば駅は初めてなので、ちょっと道に迷ったが無事に着いた。関空直通の電車に乗ったら後は車窓から大阪の街並みを眺めて、名残を惜しむだけ。大都会と言えども中心部をちょっと離れたら、我らが田舎の地方都市とそう違いは無いじゃあないか!と強がりを言う。そう、そう違いは無い、中心部さえ見なければ!

関空には早めに着いた。運行状況を電子掲示板で確認。運休にはなっていない!中には運休になっていたり、遅延になっている便もあるみたいだが。

土産を買って、時間よりだいぶ早く搭乗ゲート前に着く。この分だと定刻通りに飛行機が出そうだ。台風は今どの辺かな?

搭乗時間になり、飛行機に乗り込む。席に着いて出発を待つ。ここまで特別何もなく乗客達も整然と席に着いている。

しばらくして飛行機が動き出す。ある程度まで行って急に、ゴーという凄まじい音と共にスピードが上がり飛び立つ。その時になって機内に、機長の定例の挨拶が流れる。その最後、「本日は台風のため揺れるかも知れませんが、飛行には何の支障もありませんので、ご安心ください。」とアナウンスされた。本当かいな?

ところが、なんと全然揺れない!へー!                       機内では何度も「揺れるかも知れません」とアナウンスされていたが、全くピクリともしない。来る時、何も無くても物凄く揺れたのに!「雲の上を飛んでいるから全然台風の影響無いのか?」なんて冗談を妻に言っていたら、そのとたんガクッと凄い揺れ!勿論、そんな音がしたわけではないが、その擬音が聞こえるような!機内もざわついている。妻の顔が青ざめている。だが直ぐに落ち着いて、飛行機も何もなかったように飛行を続けた。結局、ひどく揺れたのはその1回だけで、後は平穏な空の旅だった。ただ、無事に飛行場に着いた時、妻が一言。「もう飛行機には、絶対に乗らない!」

まぁそう言っても、また乗ると思うけど。

だって楽しかったから。たとえ色々、突っ込みどころはある旅だったとしても。

また行きたいなぁ、大阪。

俺70歳、妻65歳。夫婦で初めての大阪旅行 No.8

2日目、USJの最後は魔法の夜

ゾンビが徘徊するハリウッドエリア、ニューヨークエリアを後にしてハリー・ポッターエリアへ向かう。しかし暗い!                           ハリウッドエリア、ニューヨークエリアは明るかったのに、ちょっと離れただけでだいぶ暗い。そのちょっと離れた場所で、行く人が2方向に別れて進んでいく。右の方向へは小さい子供連れの家族らしき何組かが向かって行き、向こうからも戻ってくる家族がいる。幼い子供が喜びそうなエリアなんだろう。

もう1方も本当に暗く、2つ背中合わせに並んでいる大きな岩が、あちら此方に立っている。その奥、道が続いているようで、そちらに向かって進む。道の両脇は森。暗い空と暗い森、その中で続く暗い道。僅かな灯りで朧に浮かぶ道行く若い男と女。う~ん、確かに魔法の世界に行けそう。

歩いていると途中で止まっている人達がいた。何があるのか俺達も止まって確かめる。車が森から半分出て木にぶつかっていた。?何これ?後で調べてみよう。                                    先を進む。突然、ゴーという音と共に色とりどりの小さい光の列が、ちょっと離れた暗い空を駆け抜けていく。どこのエリアのジェットコースターだろう?ハリー・ポッターエリアにも、ジェットコースターがあるんだけど。いいなぁ。乗りたいなぁ。                   と、心の声が聞こえたか。「ダメ!絶対に!」と妻のお叱りの声。まぁ時間も無いしね。

もうちょい歩いて行くと魔法使いの村「ホグズミード村」の入り口に着く。おぉ~!なんか、雰囲気がぁ~!中世イギリスと言うかヨーロッパの田舎の村のような、いや鉄道があるから近代の村か。勿論、ヨーロッパなんて行ったこと無いから、あくまで俺のイメージだが!                                     早速歩き回り、通りに立って家の中、店の中を窓越しに覗いてみる。店内にはハリー・ポッター関連のグッズがいっぱい売っていた。あっちの店こっちの建物と眺めて歩く。結構、楽しい!「時間を考えて!」と言う妻の声。はいはい、分かっていますって。でも、ホグワーツ城は見たい!ちょっとでも、外からでも。              

村の外れに来るとお城がよく見える。ここから更に奥へ行くと、ホグワーツ城に着くらしい。でも、閉館時間まで後少し。奥の方から戻ってくる人達もかなりいる。どこかもっと城がよく見える場所は無いかな?他の人達も同じ考えなのか左に向かって歩いて行く。俺達もそちらに向かう。と、えっ?ここ湖のところ?おぉ~、よく見える夜の魔法城!ホグワーツ城!                                   写真をバカすか撮って、村の入り口の方へ戻る。スマホの画面で時間を確認する。あと10数分で閉館。入り口近くのフクロウ小屋で長椅子に座って、ちょっと休む。ここも、いいよなぁ~。時間を見て立ち上がる。               

あと数分。ハリウッドエリアでは、まだ残ってゾンビを見ている人達も大勢いるが、「もう帰ろ」と言う妻の言葉に従い、USJの入場ゲートを出る。

あ~あ、1日が終わる。上手く行かなかったところもあったが、まあ楽しかった。後はホテルに戻るだけだが、電車乗り換え乗り換えと。疲れるよなぁ~。でも、その疲れも含めて、楽しかった。よし、気を付けてホテルに戻ろう。

 

俺70歳、妻65歳。夫婦で初めての大阪旅行 No.7

2日目のUSJの夜、ヒーローとお化け、そして········

人が多く集まっている野外ステージ前の広場をあとにして、真向かいにあるスパイダーマンの場所へ行く。もう既に結構な長さの行列が出来ている。慌てて俺達も並ぶ。すぐに俺達の後にも人が並び始め、あっという間に行列が出来る。係りの人が大慌てで並ぶ人のため、行列の仕切りのロープを張り直してスペースを作っていた。夜とは言えニューヨークエリア、明かりが煌々と照らし、街並みも建物の中も結構明るい。道の向かい側を見ると、野外ステージ上では、まだ何のショーもはじまってないようで、ショーを諦めた人達がこちらに回って来たのかな?                             ここのアトラクション、正式には「アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド 4K3D」と言うらしい、来年にはクローズするという。結構人気だと雑誌なんかに書いてあったけど、何故閉めるのかね?

行列が少しずつ進む。が、進み方は鈍い。それでも何とかやっと建物の中に入れた。建物の中では、何か新聞の記事?らしき物が展示されているが、そのなか、仕切りに沿って行列が進んでいく。幾つかの場所で、映画のなかで使われていた小物などが展示されていたが、それらを見る余裕もなく、ただ前の人だけ見て部屋をゆっくり通り抜けていく。やがて、結構広い部屋に入る。入ってすぐに箱に入っているメガネを手に取る。たぶん3D用のメガネだろう。壁に大きなモニターがあって、映っていたのはアニメ。何か事件の説明をしているような。でも、前の人達の進み具合が気になって、よく聞いてなかった。やがて歩みが止まり、多くの人達が何列かに分かれて乗り物を待っている場所に出た。そして次から次へと空のライドが奥から出てきて、人を乗せて先に消えていく。この時点で俺も妻も、ライドタイプのアトラクションって「絶叫系」が多いなんてあまり知らなかった。俺達も係員の指示に従い並ぶ。回転が早いので結構早く乗れた。ライドが動き出す。と、直ぐにライドがガタガタと揺れる。目の前に映像が現れ、壊れた街並み、崩れたビルが見える。あっと思うとコンクリート辺が跳んでくる!これ全てアニメだけれど3Dメガネを通してリアルに見える。えっ?と思う間なくガターンと90度ライドが回り、メガネが吹き飛びそうになる。慌ててメガネを押える!スパイダーマンが現れ何か言っている。どうやら「ここに来てはいけない」みたいなことを言っているようだが、よく聞こえない。ライドは何処を向いているのか?映像が色々動く。また、ガタガタと揺れる。わー、わーと声にならない声をあげていたが、急にガクンとライドが落ちる。落っこっている!と、落下が止まったとたん、180度ライドが回転!わーっ!と思わず声が出る!もう、しっかりとバーを握って身体が跳んでいかないように!時たま妻の様子を見ていたが、メガネで表情がよく分からない。怒っていないみたいだ。

ライドを降りてもまだ興奮覚めやらず。グッズ売場を通り抜け外に出た。妻に「結構面白かったじゃあないか!」と言うと、「メガネが跳びそうで、楽しめなかった」だって。嘘つけ!最後は結構興奮していたくせに!

通りには、多くの人達がゆっくりとミニオンパークの方に向かっていた。で、俺達はどうする?まぁ、ここは妻の意見を聞いてみる。「疲れた~ぁ」って。あっ!そう!

取り敢えず、ここから近く、座れて、席がガタガタ揺れないアトラクションって?          と言うことで「シング・オン・ツアー」を見に行くことに。                                 シング・オン・ツアーの場所は、ハリウッドエリアの奥の方にある。そちらに向かって歩いて行くと、途中でゾンビのショーをやっているステージがあった。ちょっと立ち止まって見ていると、そのステージからゾンビ達が出て来て街中を徘徊し始めた。なるほど、ハロウィーンだ。

このシングのアトラクションは、映画シングに出てくる動物たちが、映画と同じように歌って踊るショー!但し、映画と同じようにトラブルが発生しているという設定。まあ幼い子供達やその親達、そしてポップスやダンスが好きな人達には楽しめるかもね。でも俺は、根っからの演歌系人間!手拍子が、段々ずれてくる。まっ、仕様が無いか。

シング・オン・ツアーの劇場を出て、さて次は?

USJに入って一番最初に見ようと思っていたのが呪術廻戦。「呪術廻戦4Dリアル」に行きますかぁ。

呪術廻戦の場所は、同じハリウッドエリアにあるが、USJ出入口近くのキャノピーの向かい。ここからはハリウッドエリア内の正反対の方向。ゆっくり向かう。結構、通りは混んでいる。ゾンビが通りを徘徊しており、歩いている人も立ち止まって、ゾンビが人を襲っている様子を見ている。 

「呪術廻戦4Dリアル」の建物の前には、ある程度の人が並んでいたが、スパイダーマンのところほどではなく、直ぐなかに入れた。ロビーのみたいな所で何やらストーリーのプロローグ的な動画、ナレーションがあったりして、3Dメガネを貰って劇場内に入る。スクリーン前、4列位のところの席に座り、始まるのを待つ。                       始まったと思ったとたん、スクリーンから大きな火の塊や強そうな呪霊が飛び出して目の前に迫る!ガタガタと席が大きく揺れ、水飛沫が顔にかかる。虎杖達が助けてくれるが、迫力ある場面が暫く続きいつの間にか地下か、或いは異次元か、よく分からない最強最悪の呪霊がいる場所に場面が変わる。呪霊が暴れる。巨大な岩石が、醜悪な呪霊の顔、大きな口が俺達に襲いかかる。席が揺れる!身体が揺れる!                虎杖達が何とか呪霊を倒し、大阪が平穏になった後に、五条悟が女性を連れて現れるなど、アニメの雰囲気も結構感じられる。「面白かった!」「まあね」という感想で外に出た。うん、面白かったけど、興奮度はやっぱりスパイダーマンかな?

外は、まだまだ人がいっぱい!スマホを開いて時計を見る。閉館まで残り僅か。                   

「絶対!ハリー・ポッター見た~い!」と妻に直訴!                        大急ぎで、ハリー・ポッターエリアへ。

俺70歳、妻65歳。夫婦で初めての大阪旅行 No.6

2日目夕方のUSJ、俺達と同じような歳のカップルもいたー!

ホテル2日目の部屋は、前日の部屋より少し広く、ベッドもセミダブルからシングル2台に変わっていた。さて、ケーキとパンも食べたし、ラウンジから持ち込んだ無料のコーヒーも飲んだ。ちょっとベッドに横になって、時間が来るまでゆったりとする。                       

部屋には、ベッドと反対側に作り付けの棚があり、上の棚に薄型液晶テレビが、下の棚にデジタル表示の時計とラジオが組み込まれたミニコンポがあった。ふと見ると、いつの間にか、その時計が午後3時過ぎたことを表示していた。

「そろそろ行く用意をしよう。4時半くらいには着きたいし。」と妻に言う。                              スマホを見ていた妻は、顔を上げ、俺の方を向いて念を押す。                    「絶対、絶叫系アトラクションには乗らないからね!」                    娘が言っていたけど、絶叫系乗らないなんて乗るもの無いぞ。本当に。                               

「ハロウィンなんだから、お化けのショー見るの!」お化け?ゾンビ?そう言えば妻は、「ウォーキング・デッド」好きだったもんなぁ~。

頃合いをみてホテルを出る。雨は止んでいる。降らなければ良いが。

USJに行くにはJR西九条駅で、ゆめ咲線に乗り換えなければならない。大阪駅から直接行ける電車もあるみたいだが、この時間帯では見付けられなかった。慣れた地下鉄経由で西九条駅を目指す。地下鉄堺筋線から堺筋元町で中央線に乗り換え、弁天町駅で降りる。さてJR弁天町駅は?と探すとJR弁天町駅方向を示す矢印が見える。その矢印が示す方に向かって歩いていくと                              「えっ!外?」mapを見ると地下鉄の弁天町駅はJRと繋がっているように見えるのだが。仕方ない外に出てJR弁天町駅を探す。小雨が降っているが傘を差すほどではない。左に行って右に戻り、向かいを見て道を渡り、やっと駅を見付ける。                   改札口前で振り返ると何?上に上がる階段がある?えぇー、地下鉄弁天町駅という文字と矢印!やっぱ繋がっていたー!

西九条駅ゆめ咲線に乗り換えユニバーサルシティ駅で降りる。車内は若い人達もいっぱいいたが、中年の人達もいたし、俺達くらいの年齢の人達も数は少ないがいた。彼らもUSJ行くのかな?と思っていたら同じ駅で降りた、俺達と同じかー。

駅から出ると、「おぉぉ~~!」そこは非日常の街並み「夢の世界!」。昔、娘達と行ったディズニーランドの時も、入場したとたん夢の世界に迷い混んだようだったけど、ここは入場する前から「日常を忘れるための街並み!」

入場して、一応今のうちにリストバンドを付けておく。6時半過ぎて忘れていたら追い出される(?)からね。                               まず入り口から1番近く、行ってみたいアトラクションの1つだった「呪術廻戦 リアル4D」を見に行く。「わぁー!凄い行列!」待ち時間を聞くと1時間半以上。係員の人が手首のバンドを見て「6時半過ぎたら空きますよ。」だって。

じゃあ呪術廻戦は後にして、そんなに待ち時間のかからないアトラクションはないか?奥に行くとニューヨークエリア。スパイダーマンの所はもっと長い行列が!うーん、こりゃダメだぁ~!

USJ楽しむなら、もっと早い時間で体力のある日に来ないとダメかも」と俺。                 「いいの!大体、いい歳をした爺さんが、あれも乗りたい、これも乗りたいなんて言うんじゃあないわよ!」うるせー、俺は爺さんじぁない!孫いないし!                        結局、ニューヨークエリア、ハリウッドエリアの街並みを見ながら歩き、途中グッズや土産物の店に入って、面白そうな物、楽しそうな物を見て回った。                       

流石に1時間近く歩き回り、歩いていない時でも立ちっぱなしで、ちょっと疲れた。                  ニューヨークエリアの1画に広場があり、野外ステージが設けられていた。その広場に、先ほどより多くの人達が集まり、芝生の上や通路との境のブロックに腰を下ろして何か待っていた。                                  「たぶん、あのステージでハロウィンのショーをするんでしょ!」そして、たぶん6時半過ぎてから。と言うことは、まだ30分以上1時間近くある。が、妻はもうブロックに腰を下ろして座っていた。                             「疲れた~!」まぁね、朝から大阪城、続いて道頓堀そしてUSJと、ほとんど歩きっぱなし、立ちっぱなしだしね。休んだのってホテルで小1時間。まぁ、疲れるか~。他の人達も、ここでショーが始まるまで休んでいるみたいだし、俺達も休むか。                 休み始めてから暫くして回りを見ると、俺達の周囲にも人が多く集まっていた。まだまだ6時半まで時間があるのに。      

6時をちょっと過ぎた頃、ステージに係りの人が数人上がってきて何か準備を始めた。周囲は暗くなり、ステージには幻想的な淡いライトが点り始めた。嫌が応にもショーへの期待が膨らむ!座り込んでいた人達も立ち上がり、空いていた空間が狭まり密集してくる。俺達も立ち上がり、前の方に出る。急にアナウンスが聞こえ、観客達に注意を促す。音楽も聴こえてきた。が、まだステージ上は暗い。そして、遂に6時半となる。············が、ステージには誰も出てこない。音楽も止まっている。                「?」というマークが頭の中に浮かんでくる。他の人達も、そんな感じじゃあなかったかな?暫く待つ。が、時たま係員が出てきて何やらするだけで、また引っ込む。だいぶ待ったが、まだ誰も出てこない。10数分たつ頃、そろそろ気の短い人達が待ちきれず離れていく。それでも待っている人は多い。俺達もまだ待っていた。             どのくらい待ったか?実際、それ程でもなかったかもしれない。でも、待っている方にしてみると、相当時間がたったような。少なくても30分以上は経ったような気がした。また、前の人達が10数人離れていく。妻を見て「俺達も行くか?」「うん」                          だいぶ時間を無駄にした。と言っても、まあ疲れていたから、休んでいたと思えば。  閉館まで残り時間が、あと約3時間!突然、ゴーと凄い音が暗い空間に鳴り響く。見上げると、色とりどりの小さい光の玉が列を成して暗い空間を翔びはね走り抜けていく。ジェットコースター!日が暮れる前から曇った空を駆け巡っていたが、あまり気にしてなかった。けっこう綺麗じゃん。                            よし、とにかく時間になるまで楽しめるだけ楽しもう!                           

俺70歳、妻65歳。夫婦で初めての大阪旅行 No.5

2日目のお昼、道頓堀は賑やかだけど雨がぁ~!

大阪城天守閣前の広場に据付けられてあるベンチに座って休む。さて、これからどうする?選択肢は2つ!北浜に戻り中之島図書館内のカフェで昼食を食べてホテルに戻るか、このまま道頓堀へ行って観光がてら「お好み焼き」か「ラーメン」を食べ、それから北浜のホテルに戻るか。                              「道頓堀!グリコの看板見なくちゃあ~!ヒョウ柄のおばちゃんは?」と俺。                ここは、俺の主張を通す。だって、やっぱ道頓堀だろ~う!大阪と言えば!

地下鉄谷町四丁目駅まで戻り、地下鉄中央線で元町駅を目指す。途中、堺筋元町駅をそのまま乗り過ごした時、妻がボソッと、「中之島図書館よ、さようなら。」              元町駅から御堂筋線に乗り換え、なんば駅へ。なんば駅で降りて、地上に上がりスマホを手に取る。さて、心斎橋駅方面はどっちだ?                    一応、北に向かって歩き出す。最初の信号がある交差点で右に曲がる。と数10m先に、かに道楽の看板が見える。                            「ここ?」「そっ!ここ!」             

へぇ~!ここが道頓堀!確かに人が多い!通りが賑やか!大きな看板も見えるし、店も華やか!うん、間違いなく大阪だ~!                        まず戎橋。そこから道頓堀川を覗く。今年は、ここから川に飛び込む○○ファンが結構いるかもね。グリコの看板もやっぱり大きいね~。

再び道頓堀通りに出て、食べるところを探す。さて、お好み焼きにしようか、それともラーメンがいいかなぁ~。とその時、顔に何か当たった。雨だ!                     朝見た天気予報で今日の大阪は、曇り時々雨。朝の大阪城の時の空は、半分晴れていて曇っていたところでも雲は薄かった。だからそんなに気にしなかったけど、なんば駅降りた時はだいぶ曇っていた。まぁ、それでも結構、空明るかったのに~。

雨は降ってきたが、まだポツリ、ポツリ程度で早く店を見つけないと。

「くくる」はたこ焼きの有名店だが、たこ焼きは昨晩食べたから今日は別の粉物で、或いはラーメンでも良いけど。と思って歩いていると雨が本降りになってきた。傘を持ってきてなかったので、慌てて雨宿り出来る場所を探す。シャッターが降りている店の軒先に駆け込む。雨宿りしている人達が結構いて、僅か空いている所に2人して入る。

暫くして雨が小降りになってくる。今のうちに食べる所を探そう、早くしないとまた本降りになってくるかもしれない。軒先を出て店を探す。お好み焼き「千房」はだいぶ行列が出来ている。別の店は?                            「金龍ラーメン」も結構な人が並んでいたが、雨の状況をみて並ぶことにした。 ところが暫くして、また雨が強くなってきた。長い行列も傘を持っていなかった人から1、2人と列を離れていく。妻も、「止みそうもないし、まだまだ列長いし、疲れたから帰ろ!」と。

結局食べないでホテルに戻ることにした。所々で雨宿りしながら地下鉄堺筋線日本橋駅を目指す。途中で雨がだいぶ小降りになってきたがもう、道頓堀に戻る気にはならなかった。

北浜駅で降りた時には、もう雨は止んでいたが空はまだ暗く、いつまた降ってきてもおかしくはなかった。

雨が上がっているうちにホテルの向かい側に渡り、妻がずうっと気にしていたケーキ屋に行く。あれ程、疲れたーと言っていた妻がケーキを前にしたとたん目が爛々!あれだこれだとケースの前をうろうろ、嬉しそうにチョイスしていた。

昨日も行ったパン屋にも寄り、ホテルへ。部屋で買ったケーキを食べる。お好み焼きがケーキに代わったけど、まあ旨いからいいか!パンも旨いし!後、少し休もう!夕方から、この旅行の第1目的だったUSJだー!

俺70歳、妻65歳。夫婦で初めての大阪旅行 No.4

2日目、の最初は大阪城観光

朝、目が覚めると、さらに妻は起きていて旅行雑誌を見ていた。起きがって洗面所に行き顔を洗う。アメニティも十分備えられていて、髭剃り用シェービングジェルが俺には合っているようで、気持ち良かった。

さて、今日の予定の確認。まず、朝食をどうするか?と。妻曰く「中之島図書館の中にあるカフェが結構人気だから行ってみたい」とのこと。でも調べてみると、午前9時開店。まだ、2時間くらい後。そんなに腹も空いてないし、なら先に1ヶ所観光してきて、少しくらい遅くなってもそれから行こう、ということになった。                  そこで、事前に計画していた通り2日目は大阪城観光から始めることに。                         大阪と言えば「太閤秀吉」。となれば、大阪城は必須!                           地下鉄堺筋線に乗り、堺筋本町で中央線に乗り換えて、谷町四丁目で降りる。9番出入口が大阪城方面とあったが、エレベーターに乗るため11番出入口の方へ。             地上に出て、さてどっちに行けば?                       「森がある方!」と妻の指摘。確かに、大阪城公園の内にあるのだから木がいっぱい植えられてあるだろう!東の方へ歩く。歩道橋があって、北側の公園らしき方へ行けそうだが階段は昇りたくない!真っ直ぐ行って横断歩道を渡る。

と、何か公園というか、広場というか広い空き地があり、説明のための掲示板らしきものがみえる。何だろうと見てみると「史跡 難波宮跡」と書いてあった。                       へぇ~!ここに難波宮があったんだ!                      「難波宮って何?」って妻。何って言われても、俺もよく知らないけど「大化の改新にともなう···········」とあるから、中大兄皇子がここに遷都したのじゃあないのかな?

「藤原宮」の前の都だったっけ?まぁ、古代日本史のロマンを感じる。とは言え、目的は「大阪城」。チラッと眺めて大阪城公園へ向かう。

道路の向かい側に建ち並ぶNHK大阪歴史博物館、府警本庁舎、府庁等々格好いい建物を横に見ながら公園内の通路を歩いていくと大手門に続く橋があり、その橋を渡って大手門から内に入る。桜門を通り抜け蛸石を見て、いよいよ大阪城の見える広場に出る。

うーん?格好いいけど、ちょっと想像していたより少し低い?まぁ、ほんの今、高い、格好いい、近代的なビルディングが建ち並んでいる通りを見てきたばっかりだし、昨日も通天閣を見たしなぁ~。と自分で勝手に納得した。

大阪城入場チケットを買うために並ぶ。大阪在住のお年寄りや近畿地方交通系ICカードを持参している人達には割引があるようだが、あいにく俺たちは大阪在住でもないし、カードも持っていない。これがソウルなら、65歳以上の年寄りなら誰でも無料なのに!日本も全ての年寄りに便宜を!                            並んでいる内に気づいた、日本語だけでなく外国語も多く飛び交っている。並んでいる人達が話している言葉。って言うか、6から7割くらいが外国語?妻に話すと、             「ほとんど中国人でしょ」と。何故?                      「他の国の言葉は、よく知らないけど、少なくとも韓国語ではない。イントネーションが違う。」って。                                 さすが、うちの奥さん!伊達に毎日、韓流ドラマ見ているわけじゃあないか!

石の段々を上がって天守閣入り口にたどり着き、ここでも並ぶ。我が妻が愚痴る。石の段々、蹴上げが高くて膝が痛くなる!だと。                               「エレベーターに乗る人は左の列にお並びください。階段で上がる人は右からお入りください!」との声が聞こえ、左の列に。「このエレベーターは5階までです。5階から8階までは階段で上がります。」と案内の人が叫んでいた。                えっ!8階の展望台まで行かないの~!うわぁ~!階段?うーん!階段かぁ~!これは妻の落胆の声。うん、妻は階段の昇り降り、すぐ膝を痛めるからなぁ。

それでも、なんとか8階まで上がる。ぐるりと四面を巡るバルコニーが展望台となっている。妻は椅子に座って休んでいるというので、俺だけ展望台に出る。まぁ、妻はすごい高所恐怖症だから、手摺しかない高い所はあまり行かない。勿論、壁があっても、それがガラスの壁(カーテンウォールみたいなもの)なら、もう近づかない。そのくせ、飛行機は乗れるだよね!

8階展望台から見る大阪は、足元が公園のせいもあり緑と高層ビルの街だった。公園の周りの高層ビル群のせいで、所々遠くまで見えなかったが、そのビル群が途切れたところから見える大阪も、中低層ビル群が地の果てまで続いているみたいだった。公園内を覗くと、内堀に黄金の御座船が気持ち良さそうに、ゆっくりと進んでいた。あべのハルカス通天閣のような高いところから見る大阪も良いかも知れないが、大阪城8階から見る大阪も良いんじゃあない!

下りは階段で。7階、5階をさらっと見、4階、3階で歴史資料をちょっと時間をかけて見る。ただ「黄金の茶室」のところは、ちと暗いじゃあない?よく見えなかった。

天守閣から出て、「疲れた~!」の一言。まぁね、上り5階より上は階段だったし、下りは全て階段だし、その階段も狭かったし、人がものすごく多いし、外国語も多かったし、そして面白かったし。

広場に出てもう1度振り返り、大阪城天守閣外観を眺める。関東の人達には悪いが、              「やっぱ、わしゃ太閤さん、好っきやわぁ~!」

俺70歳、妻65歳。夫婦で初めての大阪旅行 No.3

〈1日目〉北浜のホテルそして難波へ

通天閣から恵美須町駅に向かう。恵美須町駅は地下鉄、堺筋線の駅。ホテルは堺筋線の北浜駅の3番出入口付近にある。「 ザ・ロイヤルパーク キャンバス 大阪北浜 」という評判のホテルで、安くて清潔!スタッフも懇切丁寧!ラウンジも綺麗かつ雰囲気があり、駅のすぐ近くと評判が良い。

ただ妻がここを選んだ最大の理由は、向かいに有名なケーキ屋があり、隣(地下鉄3番出入口)の隣に、有名なブログに載っている美味しいパン屋があるということ。しかも、ほんの数10m歩くと「大阪証券取引所」があり、NHKの朝ドラ「あさが来た」で人気となったディーン・フジオカ(五代友厚)の銅像が立っている。うーん、まぁ、そんなもんだろう妻の選択理由は!

で北浜駅だが、う~ん、本当疲れたぁ~!地下鉄のホームを降りてまず階段へ。上階へ上ってまだ上がある。近くの階段を探して上階へ。えっ?まだ上があるの?3番出入口の階段を上って、妻曰く                              「次は絶対エスカレーターかエレベーターで上る。」同感!

3番出入口を出て向かいを見ると、すでにケーキ屋の灯りは消えていた。営業所時間は終わったらしい。まだ、午後7時をちょっと過ぎたばっかりなのに!隣のパン屋で美味しいそうなパンを購入。ホテルに行きチェックイン。評判通りの綺麗で、スタッフの対応も良い。部屋はちょっと狭かったが、休む、寝るだけなら全然問題ない。風呂は無く、シャワーのみ。これも別にシャワーで十分。とにかく綺麗で清潔、アメニティも揃っていれば文句はない。そして安ければ!綺麗なラウンジでアルコール1杯無料も嬉しい。

ベッドに横たわって疲れを取る。普段あまり歩かないから、「新今宮」駅から「ジャンジャン横丁」「通天閣」を経て「恵美須町」駅まで歩くと結構疲れる。その上、「北浜」駅でも結構歩いた。誰かが書いてあったが、北浜駅での移動はウォーキング代わりになるだって!

少し休んでホテルを出、再び大阪の街を観光する。今度の目的は「難波」。                      ネット、雑誌等で有名な「たこ焼道楽わなか 千日前本店」で、たこ焼きを食べ、その後難波駅の方に向かい、そこから道頓堀の方へブラブラと歩く予定。もう、だいぶ暗いが、それでも8時前。

地下鉄、今度は日本橋駅で降りて、南海本線「なんば」駅の方へ歩いていく。

「狭い道はなんか怖い」という妻の言から広い道を選んで歩いて行くが、広い道の方がなんか暗くないかい?狭い道の方がネオンなんかで明るい。まぁ、それはそれでちょっと怖いか!若い人達がいっぱいいると怖くはないんだけれど。

なんばグランド花月」なら、すぐ目につくだろうから、そこを目印に歩く。目的地の「たこ焼道楽わなか 千日前本店」は、そこのすぐ横。

目的地に着いた。客が10人くらい並んでいたが、想像していたよりは少ない。まぁ、平日だしね~。              

買っていた人達は皆テイクアウトだったらしく、すぐに街中に消えていった。食べられる場所あるはずで、探すと脇の路地の奥に食べられる場所の出入口がある。前の店で買てから、ここに入り適当に席に着いて食べればいいみたい。               入ってみると1階は結構人がいっぱいで、2階に上がる。2階はだいぶ席が空いていた。前の通りが見える席に座り食べ始める。失敗したのは、俺がピリ辛を頼んだこと。妻は定番を頼んでいた。辛いのが好きな俺はバカみたいに唐辛子までかけて口に入れた。たこ焼きの味がしない!辛っ~!

妻は「定番本当、美味しい!」と言っていた。妻から1つ貰う。外はしっかりと焼かれていて、中はトロトロ!タコもしつかりと歯応えがあった。うーん、ピリ辛のせいで、貰ったたこ焼きも味が分からない!

さて、たこ焼きも食べた。予定では、これから道頓堀まで観光がてら歩くことになっているが、妻が「疲れた~!」と言い、俺も疲れた~!結局、道頓堀は明日ということにしてホテルに戻ることにする。道頓堀まで行くと帰りが「御堂筋線」からで、乗り換え乗り換えと本当疲れそう!

また、日本橋駅まで歩く。これでも結構キツくなってきた。地下鉄に乗って北浜駅へ。

北浜駅、ホームに降りる。今度はエスカレーターかエレベーターに。降りた場所の近くにエレベーターがある。それに乗り上階へ。それにしても何故1階毎のエレベーターしかない!何故ホームから地上までのエレベーターがないんだ!あるだろう普通!その上の階に上るエレベーターを探して歩く。あった上階へ。まだ上があるんだよなぁ~!また別のエレベーターを探して歩く。で地上に上がるエレベーターに乗って降りたところが「大阪証券取引所」。よかったね奥さんや!ディーン・フジオカが見れたよ。

外に出るとすっかり暗くなっている。難波橋から「こども本の森」「中之島図書館」の方を眺めて見るが、なにも見えない。まぁ、当たり前かぁ。

ホテルを挟んで、3番出入口とは反対隣にコンビニがある。そのコンビニで酒とおにぎりを買い、ホテルへ。ラウンジからワインを1杯ついで、それも持って部屋に戻った。ふぅ~、疲れた~!酒が旨い!                   

妻はアルコールがダメ。残念だったね!疲れには酒だよ、奥さんや!

明日の予定は····今は考えるのを止めよ~!早よ寝よ寝よ!じゃあ、おやすみ~!