秣(まぐさ)の繰り言

もう70歳を過ぎた男の繰り言です。

俺69歳、妻64歳。夫婦で初めての韓国旅行(3)

「スゲー❗ソウル、スゲー❗」

韓国旅行1日目、出発当日。

朝、普段通り6時ちょうどに起きた。歳を取ると早起きになると言うが、俺はダメ。目覚ましがないと起きられない。  平日は6時に、休日は下手すると9時ごろまで寝ている。

旅行の準備は前日までに終っている。ソウルでは、11月末はもう冬だそうで、防寒対策も考えて準備したため、スーツケースは膨れ上がるくらい詰め込まれている。

車に荷物を積み、愛犬を乗せ、最後に妻が乗り込んで、7時半に一旦家を出る。ペットショップに妻と愛犬を降ろし、家に車を置きに戻る。それから歩いて一番近いJRの駅に向かう。妻はペットショップで愛犬を預ける手続きをした後、駅に向かう。ペットショップの方が駅に近いので、途中で俺と会えるはず。案の定、大通りで向こうからスーツケースを転がしながら歩いてくる妻が見えた。 二人で駅に向かう。

小さな駅。それでも通勤、通学の時間帯には、結構な数の人達が乗り降りする。俺達が着いた時は、すでに通勤、通学の時間帯を過ぎていたが、まだ数十人電車を待っていた。

定刻の電車に乗り、定刻通り新幹線発着駅に着く。降りて、ゆっくりと新幹線のプラットホームに向かう。

ゆっくり歩いたはずなのに、それでも予定していた新幹線より1本早い新幹線に乗れそう。ギリギリだけど。

「どうする?」

「乗ろう。早く着くぶんには問題ない。何かあって遅れたら困るし。」

ということで、1本早い新幹線に乗り込んだが、混んでいる。座れない。通路にまで多くの乗客が立っている。

「大丈夫❔この人数だと東京駅まで立ってなきゃだよ。」と妻。

「まぁ、大丈夫だろう、多分。」

俺は腰痛持ち。定年前の2年間の間に脊椎の圧迫骨折を2回やってしまい、1回目の時もしばらく動けなかったが2回目の時はもっと酷かった。脊椎が2ヶ所潰れており、身長も5㎝縮んだ。それ以来腰痛が持病となった。一応、ある程度名の知れた病院に通っているが、そこの医者に直りますか?と聞いたことがある。その医者曰く、

「直らない。慣れてください。」

慣れませ~~ん!

大宮駅で結構降りた人がいたので座れた。僅かな時間だけれども座れるのは嬉しい。助かった。

1つ早い新幹線に乗ったので、当然予定より30分くらい早く東京駅に着く。そのまま、東京エアポートバスの乗車券売場に行き、券を買ってバス乗り場まで行く。

へぇー!待っている人少ない!

3年前の台北旅行の時は並んでいる人達が多く、最初のバスは乗れなかった。2台目でどうにか乗れたが、その時の記憶があるので、今回は1、2回ダメでも大丈夫のように余裕を持った計画をたてていた。ところがこれ!

余裕で最初のバスに乗れた。

「これ、早く着くなー。成田。」

「いいんじゃあない?ゆっくり出来て。お昼もゆっくり食べましょう。」

成田空港第一ターミナル南ウィングに着く。まだ12時を少し過ぎたばかり。出発時刻まで5時間以上もある。wifiレンタルの店が開く時刻は13時。若干早い。とりあえずチェックインカウンターのある北ウィングへ向かう。

ソファーに座って疲れを癒す。13時過ぎたので、wifiを借りに行く。本当に南ウィングの端なんだー、借りる所。昼食を食べるためエアポートモールに行く。閉まっている店が結構ある。これもコロナのせいなのだろうか。開いている店のショーケースの中を見る。

「わぁ!たっか~っ!」うん、高い。

我が家の昼食の予定額を越えている。SUBWAYで軽食をとる。うーん、美味い!我が家はこれでOK!

北ウィングに戻って搭乗手続きが始まるまで待つ。。時間になったのでチェックインカウンターまで行くと、もうすでに長い列が出来ていた。

さすが、人気の韓国! (この時点で俺は、ここに並んでいる人達が皆、韓国への観光客のように感じていた。韓国へ帰る人達もいたんだぁー。)

搭乗手続きが終わって、次はセキュリティチェックを受けて出国審査なんだけど、出国審査を受けて中に入ると、もう出られないと聞いていたので、時間もあるしラウンジにでも行こうか? 5階のクレジットカード会社ラウンジに行き、パスポートと航空券を見せて中に入る。ビールを頼んで、あまり人のいないところのソファーに座る。まぁ、数人しか居なかったから、どこに座ろうとあまり関係ないけどね。

ポリ、ポリ、ポリ。は、このラウンジに常時置いてある「柿の種」を頬張る音。妻が持ってきてくれた。静かなラウンジでアルコールを飲む、ゆったりとした気分になる。たとえ、アサヒの缶ビールと柿の種だけでも。

ブーブーっ‼️ 金属探知機の音が響く。ズボンのポケットに手をやるとスマホに触れた。このせい。スマホを荷物ケースに入れもう一度、金属探知機のゲートを潜る。今度は鳴らない。流れてきた荷物ケースからバック、スマホを手に取り、次の出国審査場へ。

何事も無く出国審査は無事通過。先に出ていた妻と合流。搭乗ゲートに向かう。搭乗ゲート前に着いたが、まだ待っている人は少ない。

    搭乗まで時間はあるが、どうせ数十分後には搭乗開始になるだろうからソファーに座って待つ。徐々に人が集まってきてゲート前に並び始めた。まだ早いだろうと思っているうちに列はどんどん長くなる。そろっと並ぼうか、と思っているとゲート口が開き、係員が出てきて搭乗が始まる。慌てる必要はない、ゆっくりと並んで順番を待つ。

機内に乗り込み席を探す。窓際の席を頼んだが、確かに窓際。ただし、翼の上。窓の外の風景は半分以上翼で遮られている。でも、いいかー。半分は風景が見られる。外はもう暗いけど。

    騒がしかった機内もフライト時間が近づいてくると段々静かになってくる。ついに出発時刻になる。·····うん?なんか·····動かない? しばらく待ってみるも動かない。感覚的に、だいぶ経ってからゴトゴトとエンジンの音が聞こえ、ゆっくりと動き出す。     滑走路までは本当ゆっくり。滑走路に入ってエンジンの音が変わる。ゴーという大きな音を上げ走り出す。とっ、坂道を駆け上がる感覚で飛び立つ。 窓の外を見る。 成田の灯りが段々遠のく。機体が水平になったかな?と思った時には眼下に灯りが点々。遠くに光の束が見えるのは、東京ディズニーランドか、シーか? やがて灯りも少なくなり、闇の中に小さな光が1つ2つ。 灯りが完全に見えなくなったのは日本海に出たからだろうか? 暗い時間が続く。

どのくらい経ったか分からないが、ポツポツ灯りが見えてきたのは、韓国国内に入ったからだろう。「韓国に入ったなー」と妻に言うと、頷いていた。しばらく灯りが疎らに見えている程度だったが、遠くのほうで小さく光の束が見えはじめた。徐々に光の束が大きくなる。ソウルかな?ソウルだろう!慌ててスマホを取り出し写真を撮る。撮った写真を見ると、街の灯がチャッチーィ。これは俺の腕のせい。写真撮りを止めて、改めて肉眼でよーく見る。

「やっぱ、ソウル、すごいなー」   来る時、飛行機の角度のせいか、東京の灯りが見えなかった。そのせいもあり、夜、空から大都市の灯を見たのは初めての経験。スゴいもんだねー! と思っていると、少し灯りが少なくなった所があり、また灯りが多くなる。あれ? 灯りがスゴい‼️ なんだー? ·····仁川?そう、仁川国際空港❗スゲーとしか声が出ない。さすがーハブ空港

   飛行機が旋回しているので、仁川国際空港の灯りが見えたり、隠れたり。やがて、少しつづ高度が下がってくる。光の束が段々近付く。そして、ダンッという衝撃を受け、着陸したことが分かる。無事韓国に着いたぁーー❗❗

と、ここまでは、なんとか無事に来れた。あ~あ~。このあと、バカみたいな失敗続きとなる。事前調査不足!   入国審査場に行く。入国カウンターの前は人、人、人。迷い無く並ぶ。少しして、妻がふと疑問を口にする。 「ここで良いの?」       「良いんじゃあないか。日本語で『ようこそ』と書いてあるし。」(「ようこそ」だったか、その様な感じの言葉だった。他に2、3外国語で何か書いてあった。同じ様な意味の言葉だろう。) それに、待っている人達がいるのは、この辺のエリアだけだし。と思った。が、妻は不安だったんだろう。だいぶ列が進んで、係員がちょうど通りかかった時に、その人に確認した。  「ここで良いですか?」

「Japanese?No!No!」

「えっ!違うの?どっち?」

係員が指差す所は、もう誰もいないエリア。慌てて、そちらのエリアに行きカウンターに着き審査を受ける。指紋がエラーとなる。審査員から隣と言われ、移って再度審査を受ける。ホテルの住所、英語で書いてと言われたが英語分からない。どうしようー‼️ 「OK、OK。大丈夫。通って。」  ふー、助かった。先に出ていた妻と合流。荷物受取り場に向かう。

ない?スーツケースがない?えっー!誰もいない!ターンテーブルも回っていない。誰の荷物も無い。     妻はパニック。「どうしよう、無い!」と叫んで荷物受取り場を走り回る。俺も小走りで探す。人がいた。聞いてみる。日本語が通じない。その間も妻は走り回り、やっと係員を見つけたようだ。その係員の横にスーツケース。俺達のスーツケースだ!俺も其方に向かう。妻が頭を下げている。  「あなた方のスーツケースで間違いないですか?」との問いに。              「はい、間違いなく私達のです。ありがとうございます。」と妻。

到着ロビーに出る。リムジンバスで明洞へ向かうことにする。「疲れたー」は妻の真からの叫び。はい、はい。お疲れ様です。私が悪うございました。確かに俺が入国審査場を間違わなかったら、こんな事には成らなかったかもしれないけど、確かに台北の時も入国審査、自国人用と外国人用があったけど。だって、日本語あったもん。他のカウンター誰もいなかったもん。

ただ、リムジンバスは正解。ソウルの夜景を今度はバスの中から見れる。「スゲー❗ソウル、スゲー❗❗」 光り、光り、光り。光りの中をバスが行く❗通りの街灯も、ビルのイルミネーションも、まさに光の海。

「ソウルは見せる都市だ!」そして「ソウルは電飾の都市だ!」夜のソウルに来て、見て、本当にそう思う。夜のソウルはスゲー、ヤバい‼️ 昼はまだ、分からないけど。

バスは明洞、「ホテル スカイパーク 明洞 Ⅲ」(俺達の宿泊するホテル)の近くに着き、降りる。ここでまた失敗。ホテルの名が見えたので、そのビルに入り、2階のフロントに行き、チェックインしようとしたら。

「お隣ですよ。スカイパーク明洞さんは。」えっー!恥ずかしいやら、なにやらで急いで出てきた。あとで知ったが結構、高級ホテルとのことでした。隣のホテルに入りチェックイン。部屋は9階。小ぢんまりした清潔な部屋。荷物を置いて1階に降り、隣のセブンイレブンで軽い食べ物、焼酎を買って部屋に戻る。夕食はこれ。疲れているから、あまり腹に入らない。

「疲れたなー」「うん、疲れた。」

長~い1日が終わった。本当、長~い、長~い1日だつた。