秣(まぐさ)の繰り言

もう70歳を過ぎた男の繰り言です。

俺69歳、妻64歳。夫婦で初めての韓国旅行(5)

「ソウル観光第1日目(韓国2日目)後半。恋人達の南京錠」

「あなた腰、大丈夫❔」と妻の心配そうな声。だいぶ前から痛いです。  とは言え、まぁ座れる所があったら座って休んでいたので、何とか今のところは耐えられそう。多分。

さて、ソウル観光第1日目の後半(もうすでに午後3時半は過ぎているけど)は、Nタワーに行って、その後夕飯を「明洞餃子」でとる。という予定。     Nタワーは、ソウルのランドマークタワー。南山の頂上(海抜243m)にそびえ立っている。高さ236m。よって海抜479mになる。ソウルが一望できる、恋人達のパワースポットらしい。  

十分に休んだから、Nタワー(南山タワー)に向かおう。夕暮れが迫っている。と、その前に、目の前にタワーが見えているのだから今度は道、間違える訳ないだろうと思うけど、念のためホテルのフロントに聞いてみる。

「前の道、西にちょっと行くと反対側にプリンスホテルがあります。その先にタワーに行く道がありますので、そこを曲がって、道なりに進んでください。そうすると15分ぐらいで、ケーブルカー乗り場に着きますよ」と。  はは·····聞き方、間違えたかな? 

教えてもらった通りに歩いていく。最初は良かった、平坦で。少し坂かな?と思っているうちに、結構な勾配の坂道となり、少々キツい!そして·····  階段! はぁ~。乗車券売場は、階段の上。キツいなぁ~。いや、いいんですよ、いつもなら。でも、今日歩きっぱなしだし。疲れているし。はぁ~。

        乗車券を買ってケーブルカー乗場の建物の中に入る。人、人、人の波。密、密だ~!すごい人の数、並んでいる。でも、ここで帰る訳にいかない。しょうがないから並んで待つ。乗場は上の階。階段までもたどり着くのに、列が何重にも折れ曲がっている。

なかなか進まない。十数人進んだかなと思ったらまた止まる。そんな事の繰り返し。どのくらいの時間、並んだろうか、階段のところで気持ちが悪くなってくる。揺れているように感じる。これヤバいなと思っていると、やっと乗場の階に着いた。ふぅ~、治った。

現金なもんで、ケーブルカーに乗ったとたんに元気になった。このケーブルカーで山頂近くまで登り、山頂で今度はNタワーに登る。ははっ、まだまだ、かなりキツいかな?

ケーブルカーからの眺望は素晴らしくソウルの街並みがよく見える。その景色を眺めていたら腰の痛みも疲れもいっとき忘れる。思い出したのはケーブルカーを降りて、目の前の階段を見た時!·····はぁ、又、階段?腰がぁ~! 

その階段を多くの人が登っていく。ここまで来たのだから行くだけ。登る。登りきった頂上、結構広い平らな広場になっている。展望台になっているところもある。石の手すりに手を置いて街を見下ろす。ちょっと暗くなり始めたソウルの街。うーん、結構いい。向こうの手すりには、恋人達の南京錠がいくつも付けてあった。

有名な南山八角亭でベンチに座り、体力快復へ。しばらくしてNタワーの方へ、様子を見に行く。多くの人達が並んでいる。はぁ~、又長い行列!  

もうダメ❗これ以上は限界❗❗だって、帰って来なければならないんだぜー、これだけの人達といっしょに❗又、長い行列に並びながら。絶対帰りのケーブルカーのところ混んでいるだろうし。帰ろう、ここで止めよう。妻を説得しよう。絶対説得しよう。

案外に、妻は素直に納得した。じゃあ、もう少し休んでいこうかと思ったら、直ぐに下りたいと。うん?なぜ?

まぁ、そろそろ暗くなってくるし、早めに下りた方がいいかー(妻は、元々高い所苦手。本来ケーブルカーも嫌!暗い所もダメという人。にも拘らず飛行機は乗れるんだーな、これが)。   

帰りのケーブルカー乗場は、やはり混んでいた。長~い行列。でも、待つのも来た時よりは、ずっと楽。当たり前、あの時は建物の中、帰りは外部。景色が見える。夕方、暮れなずむソウルの街並みも結構いい!      

ケーブルカーを降りて帰りは、来た時の建物を通らず、回り道だけれど、外のバス通りの道の方から帰る。    

道に出ると、近くに大勢の人達が列をなしていた。うん?なに?        彼等は南山オルミに乗るために待っていた人達。南山オルミとは、とてもそうには見えないが、エレベーターだそうだ。ただし、傾斜式の。下の歩道から上のケーブルカー乗場まで。

俺は全く知らなかったし、見たこともなかった。面白そうだから乗ることにした。50人程待っていただろうか?でも、往復10分もかからないし、1度に20人近く乗れるので、そんなに待たずに乗れた。なかなかに、この乗り物から見る夕暮れのソウルもいいもんだ!

          降りて、少し歩くとT字路。右を見る。見覚えのある通り、見覚えのある看板、見覚えのあるネオン。そして、ちょっと離れて俺達が泊まっているホテルの名。うーん、ちょっと遠回りだったけど、こっちの道の方が断然いいし、楽。             「ホテルの人に、楽にタワーへ行ける道を聞けば良かった。」 はは、しないだろう、普通そんな聞き方は。   

ホテルに戻って、「明洞餃子」の場所を調べる。へー、近いんだ!このホテルから。歩いて5分?くらい?   

本当、直ぐ店に着いた。分かりやすかった。何て言ったって日本語!日本語で「明洞餃子」と書いてあれば、俺でも分かる。この辺と周囲を見渡せば、有ったね、有った日本語が!     

店の中は混んでいて、並んでいる客達は長い行列を作っていたが、なぁ~に、店の中で納まっている行列、南山の行列と比べれば全然楽勝。回転もいいみたいだし。          

少し待っていると席が空いた。店員に呼ばれて席に着く。勿論相席。妻はメニューを見ているが、注文するものは決まっている。「やっぱり、これと、これと、これ!」予定どおり。    明洞餃子に来たからは、「カルグクス、チンマンドゥ。そして、ビビングクス。」は、絶対。       

「カルグクス」、スープは美味しい。ただ、麺は好き嫌いがあるだろうな。柔らかい麺。俺は、もうちょい硬い方が。スープは美味しいんだけどなー。「チンマンドゥ」は普通に美味しい。

「ビビングクス」旨い❗これ旨い❗

 旨い、辛い、でも旨い❗でも辛い❗ 

ここでも、韓国の人の優しさに触れた。箸とかスプーンがどこにあるのか分からず困っていたら、隣の人が教えてくれた。韓国語は分からないけど、手で示してくれた。テーブルに引き出しがあり、そこにあった。助かった。前、飛行機内で入国カード書き方分からない時も、隣の韓国の人に助けてもらった。優しい人が多い、韓国は。

満足して、店を出ようとしたら、並んでいる、並んでいる、すごい行列❗順番待っている客の多いこと。店の外まですごい行列❗へー!俺達ラッキー。入る時間がもう少し遅かったら、と思うと。はは、最後はラッキー❗

ホテルに戻って、隣のセブンイレブンで買ってきた焼酎を飲みながら、今日の反省をする。反省は尽きないが。  まぁ楽しかったじぁないか、いろいろあったけど。さて、明日だー。           明日は雨なんだけど。